まんがの庵

●「まんが聖書物語」イエス・キリスト いのちのことば社・刊
デビュー作というか、最初の単行本です。
新約聖書の四福音書を基にイエスの生涯をマンガ化したものです。
1986・12・15発行(全174ページ) 定価1000円
このときの私、40歳になっておりました。
当時はアニメーションという本業があったので、毎週末だけを執筆に充てて、脱稿まで丸2年かかっています。以降の5冊も同様です。
この本は毎年のように刷を重ね(’98・6・12に11刷)、累計3万部近く出ています。
信じられないことですが、このマンガ(全6巻)の原稿料は一切無し!印税(実売)契約のみで請けた執筆でした。
通常、こういった単行本の場合、ページ単価であったり、一巻単位であったりしても出版社の原稿買取による制作が普通で、著作権は出版社側の帰属となります。
私の場合、原稿料が無いことが結果として権利の確保につながったことになります。
しかし、これも私に本業による収入があったから可能なことでした。
この本、3万部ということは、ページ単価は1万数千円になります。
カバーが出来た時、監修者の名前が先になっていることに少なからずショックを受けました。
専門的な本だから仕方のないことと思いましたが、釈然としません。

●「マンガ聖書物語」イエス・キリストの生涯 いのちのことば社・刊
2001・6・15発行(全174ページ) 定価(本体500円+税)
当初の単行本が品切れ(絶版)となったことで、廉価版の刊行となりました。
’08・5に4刷、累計で2万数千部でしょうか。

★この巻には
「ヨブ記」「ヨナ記」
のマンガ化もあります。

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「グリム童話」


●「マンガ版聖書/旧約・新約物語」 講談社・刊
2001・12・5発行(全256ページ) 定価:本体2000円(税別)
合本の要請は講談社にもありました。「たとえばなし」までを含めた一冊の誕生です。
ただし、絵のサイズは文庫と同じ。見開き2ページに文庫の8ページが展開するという、変形本です。
内容が見渡せる面白さはありますが、文庫との差別化には至らず、
初版8000部を完売した時点で、’06に絶版となりました。

「キリスト教の歴史」

●「マンガ聖書物語」イエスの弟子たちとパウロ
2009・5・20発行
廉価版第三弾。500円。
単行本の装丁デザインを踏襲しています。

☆そして…転身

http://d.hatena.ne.jp/manga-do/20051210

☆韓国語版こぼればなし

http://d.hatena.ne.jp/manga-do/20051211

★「たとえばなし」14篇の扉絵をご紹介

「まんが聖書物語」

●「まんが聖書物語」合本 いのちのことば社・刊
1999・11・1発行(全870ページ) 定価(本体2381円+税)
大手出版社からの文庫の成功もあって、いのちのことば社は新しい展開を考えます。
「たとえばなし」を除く単行本5冊を1冊にまとめてしまおう!という決断です。旧約と新約を併せた大型の本にするのです。
こうして厚さ5.5センチ、重さ1.25キロの、辞書のような凄い本が出来ました。
これはほぼ2年に一度再刷となり、現在5刷、累計2万部を超えています。

●「まんが聖書物語」使途の働き
1998・2・15発行(全144ページ) 定価(本体1300円+税)
シリーズ完結篇ということで、新約聖書の使徒行伝に挑戦です。
イエスの昇天から始まり、弟子達の伝道の様子を描いています。
内容が子ども向けではないためでしょうか、再刷には至りません。
初版数千部のままでは、作者としては採算が合いませんね(苦笑)。
全6巻の累計は7〜8万部というところでしょうか…
しかし、執筆期間12年、約1000ページを費やしたこのシリーズ、
これで終わりではありませんでした。

「メディチ家物語」

★海外版のいろいろ
「まんが聖書物語」はこれまでに韓国、台湾、タイで翻訳出版されています。
これらの印税は概ね定価の6〜7%で、それを出版社と著者で折半します。
発行部数の確認が難しく、再刷の情報が不明だったり、透明性に欠けることが多いのが実状です。

韓国版「創世記」
全6巻オールカラーです!

タイ版「ダビデ・ソロモン」

台湾版「イエスのたとえばなし」

●「まんが聖書物語」モーセの十戒・出エジプト記
1990・12・20発行(全170ページ) 定価1030円(本体1000円)
出エジプト記からヨシュア記までのマンガ化です。
モーセのキャラクターデザインはチャールトン・へストンの映画「十戒」に影響されているかもしれません(笑)。
4刷までで累計は1万数千部でしょうか。
士師記、ルツ記は文章とイラストで処理しています。

●「マンガ聖書物語」イエス・キリストのたとえばなし
2008・5・20発行
いのちのことば社の合本には入らなかったので、
これも単独の廉価版にすることになりました。
定価は同様に500円です。

●「マンガ聖書物語」<新約篇>
1998・12・16発行(全314ページ) 定価:本体780円(税別)
旧約篇の5ヵ月後に刊行されたこの本、その初版はいきなり25000部でした。
’09現在、共に刊行10年を経過、<旧約篇>は25刷、<新約篇>は22刷というロングセラーとなっています。
2冊の累計は既に20万部を超えました。

☆総本舗に

●「まんが聖書物語」創世記
1988・12・1発行 定価1200円
評判に気を良くしての第2作です。
今度は私の名前が先になりました(笑)。
監修者というのは、言わば「お墨付き」ですが、実際の制作には全くと言って良いほど関わっていませんので、マンガ家としてはどこかで力関係を逆転させねばなりません。
それには実績を積むしかないのでしょう。
旧約聖書の創世記をマンガ化したもので、天地創造からヨセフの物語までを描いています。
ボリュームは少し増えて全215ページ
ペンの扱いにも慣れて、ここからはGペンを使っています
(1作目は均一な優しい線にするため、主にミリペンを使用)。
旧約聖書の内容に合わせるためには、線に強弱が欲しかったからです。
この本は5刷まで出て、累計は2万部弱です。
ページ単価としては1万円を切りました(笑)。

●「まんが聖書物語」イエスさまのたとえばなし(全14篇)
1994・12・25発行(全142ページ) 定価1100円(本体1068円)
旧約聖書が描き終わったということで、次ぎはイエスの語ったたとえばなしをマンガ化しようということになりました。
これは、アニメ番組「トンデラハウスの大冒険」の中でも映像化しており、私にとっては薬籠中の素材でした。
アニメのときのキャラクターを流用(デザインは私です)したりして、楽しく作画しています。
各話ごとに画風を変えた「まんが日本昔ばなし」スタイルでもあります。
’97・6に再刷となりましたが、これも1万部に届かず。

●「まんが聖書物語」ダビデ・ソロモン
1992・8・1発行(全170ページ) 定価1200円(本体1165円)
サムエル記を中心に、旧約聖書の最後の部分までを描いています。
ヨブ記、ヨナ記はマンガで、列王記、エステル記などは文章とイラストです。
ストーリー展開はマンガ化に最も適しているのかな?
ダビデの生涯はなかなかに波乱万丈です。
1年後に2刷となりましたが累計で1万部には届きません。

このボリューム!

●「マンガ聖書物語」<旧約篇> 講談社+α文庫
1998・7・20発行(全560ページ) 定価:本体1200円(税別)
さて、上記シリーズの刊行が終わり、一部は刊行後5年以上の経過もあって、いのちのことば社の専属出版権が終了したころ、突然に講談社から文庫化の要請が飛び込んできました。
当初は、旧約聖書3巻分を1冊にするという形の文庫化でしたが、私としては新約との2冊セットを希望し、両出版社同意の上で、刊行したばかりの「使途の働き」をも文庫化に加えることになりました。
先に刊行したこの<旧約篇>は初版1万8000部がたちまち完売、
以後、<新約篇>の刊行をせかすかのように、再刷を重ねました。

 子供の頃に抱いた夢は「マンガ家になりたい」でした。途中から「アニメーター志望」となり、それは実現。
でも、心のどこかに「マンガを描く」ことへの願望が残っていたのでしょうね、いのちのことば社からの打診に頷いたからには。