自然館はこんな道場company
・自然館の概要
自然館は、55畳の広さを持ち、東と南側に大きなガラス窓を設けた、とても明るい感じの道場です。道場正面には、近所の書家から開館記念に寄贈された「道法自然」(老子)の書が掛けられ、道場の名に相応しい雰囲気を醸し出しています。
現在、自然館では5歳から80歳代の老練者まで、約100名の老若男女が楽しく稽古に汗を流しています。
・自然館の目的
合気道を修行して心身を鍛錬するとともに、その成果を広く実生活の場に生かすことにより、健全な社会の発展と青少年の育成に寄与する。
・自然館のモットー
(1)伸び伸びと気を出しましょう。
(2)相手の身になって考えましょう。
(3)感謝の気持ちを大切にしましょう。
・道場心得
(1)道場は、心身鍛錬の場であることをわきまえ、終始礼儀作法を守り節度ある言動に心がけること。
(2)指導者の教示には忠実に従い、真剣かつ素直な気持ちで正しい技の習得に努めること。
(3)常に基本を重視し、いたずらに技や力に偏して我流に陥ることのないよう厳に戒めること。
(4)稽古はお互いに「和」を尊び楽しく愉快に実施すること。
(5)無理をして、又は気を抜いて怪我をしたり、自己本位の稽古で相手に怪我をさせたりしないように特に注意すること。
(6)合気道の争わざる理を理解し、いたずらに相手と技や力を競ったり、これを誇示することなく、切磋琢磨して相共に向上に努めること。
(7)稽古が終わったら必ず道場を清掃し、常に清潔で快適な環境の維持に努めるこ と。
(8)道場内での事故防止は、あくまで会員個人の責任であると心得ること。
開館式のことば・周年記念式のことば
・開館式のことば 初代館長 吾妻久朝
私がこの道場の名前を考えたときに、これは洒落ではありませんけれど、ごく自然にこういった合気道の鍛錬する道場の名前としては、「自然館」というのが一番ふさわしいと思いまして、特に考えることもなくすんなりとつけた次第であります。
最近の世相といいますか、よく言われることですけれども、昭和の時代、これは未曾有の物質的な或は、経済的な繁栄をもたらしました。しかし、その反面非常に大切な「こころ」という、これを少し忘れてきたところがあるんじゃないかと。
よく言われるのは「恒産あって恒心なし」、「衣食足りて礼節を知らず」、「無責任無節操」、自分の利欲の為には他を顧みない極端な利己心が、仮面をかぶって大手を振ってまかり通っているといわれます。 まあ確かにこれが人間のすることかと思うような、まことに憮然とせざるを得ないような凶悪犯罪が起こっております。こういった犯罪がますます人間不信に輪をかけているような感じが致します。
しかし、人間社会全般をしっかりと観察してみますと、まだまだ自然な飾り気のない素直な心の交流というのが多々あると思います。私はこの「こころ」、これを合気道によって、そしてこの自然館で育てたい、これが私の念願であります。
合気道は、試合形式をとらない稽古の方法をとっておりますので、いわゆる争わない、そういうところから、子供さん、女性の方、年とった方もそれぞれにあった稽古の方法によって、誰でもできる武道です。合気道の稽古をしている人に、「今何を考えていますか」と聞きますと、皆さん一様に驚いた顔をします。ということは、何も考えていないんです。その間無心に無我の境地で稽古しているわけです。これもいわゆる試合形式をとらないということで、我がでない、いろんな策略を弄さない、結局無心で一所懸命自然と一緒になった心と身体の鍛錬をしているだけです。
どうか子供さん或は大人の方も一緒になって、この自然といわゆる呼吸をするといいますか、自然の気と自分の気を合わせて、必死になって汗を流そうではありませんか。 私は、「合気道をやって良かったなあ」と思う日が必ず来るということを、ここで確約を致しまして簡単ではありますが、ご挨拶とさせて頂きます。
・開館30周年を迎えて 館長 吾妻正義
自然館は平成元年4月に、私の父が狭山市で初めてとなる合気道の道場として開設致しましてから、今年で30周年という大きな節目の年を迎えることが出来ました。
これも偏に、開館から今日に至るまで、常に適切なご助言と合気道の創始者・植芝盛平先生から伝わる正しい合気道のご指導を賜りました磯山博先生をはじめ、自然館の活動にいつもご理解をお示し下さいました市議会議員の田村秀二先生、多くの道友の皆様、ならびに少年部保護者の皆様方の温かいご支援ご協力の賜と衷心より厚く御礼を申し上げます。
振り返りますと30年前、父は航空自衛隊を退官後、第二の人生を青少年の健全育成に捧げたいとの思いでこの自然館を立ち上げ、一階を道場、二階を学習塾とし、理想としていた文武両道の世界を作り出しました。
30周年を迎えるにあたり、改めて「自然館」という名の由来を考えたとき、開館式での父の言葉が思い出されます。「合気道を鍛錬する道場の名前としては『自然館』というのが一番相応しい。特にあれこれ考えることなくすんなりつけた次第である」と述べ、自然館を「自然で素直な飾り気のない心の交流の場としたい」とも語っておりました。
私がそんな父の理想に応えられているのかというと、まだまだ努力不足であることを痛感しております。日々の稽古と指導を通じて感じることは、技を行う際の自然な動きと同様に、人と接する際の飾らない自然な表情や立ち居振る舞い等ができるようになるには、やはりそれなりの努力と継続が求められるということです。これも父から与えられた課題と思い、今後も、動機や目的も異なる皆様が自然に集う道場となるよう、そして自然館での稽古が皆様の様々な思いや期待に応えられるよう、一層の努力と研究を重ねて参りたいと存じます。どうか皆様には、今後とも変わらぬご指導ご声援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
結びに、父の後を継ぎ今日までの20年間、いつも近くで私を支え励まし続けて下さいました会員の皆様には、改めて心から感謝を申し上げますとともに、今後も合気道の修行の旅を共にして頂ければ幸いに存じます。
「合気道をやっていて本当に良かった」と思う日が必ず来ることを確約いたしましてご挨拶にかえさせて頂きます。
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