−水車物語1−



 



 

    

 

 

谷中村堤跡

 

 

道徳無き経済は犯罪である。経済無き道徳は寝言である by二宮尊徳

 



 

    

しかし、難しい問題はともかく、僕の記憶では水車大工が入って水輪などを修繕する時と、先ほども言ったように小屋の半分ほどが洪水に埋まってしまうような台風の時以外は、僕の家の水車は回り続けていた。それでも父親が、昨夜は夜通し水門を見張っていたなどと話していた事があったから、その頃でもまだ水争いの小さな小競り合いは絶えずあったようだ。

 

 

 

 

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