(扉)

翌朝 王子の国から
迎えの馬車が到着した

王様の三人の娘のうち、末の娘が森で遊んでいた

まだ願い事が何でもかなった時代のこと

★「グリム童話」扉絵集1に

カエルは約束どおり
姫の金の皿で食事をすると

☆総本舗に

●KHM1「カエルの王さま」または「鉄のハインリヒ」

姫はカエルのことなどすぐに忘れてしまった

さあ
末の姫さま
ここを開けてよ

ねえ
忘れたの?
涼しい泉のそばで
約束したのに

あくる日のこと

開けて
くださいよ
末のお姫さま

☆「グリム童話」第7版に収録された全200話のうちの巻頭のお話。
講談社版でのマンガ化の際に割愛していたため、文庫化するにあたり描き起こしました。
したがって、講談社版をお買い求めいただいた方のために、特別に公開。
なお、この原稿は、オリジナル原稿のスキャンにつき、吹き出しの台詞が鉛筆書きのままです。
活字を一つずつ打ち込めば良いのでしょうが、とりあえずはこのままで(笑)。

あなたが
カエルでいらした
その間
あまりのつらさに
はめておりました
このたがが

それから二人はいっしょに
眠った

☆「グリム童話」に

(完)