ピントを合わせると言うこと
カメラには、何らかの形でピント合わせの装置が付いています。
(固定焦点というものもあるが)
オートフォーカスと言うものは、人に代わってカメラが様々な方法でピント合わせをします。その方法は、メーカー各社・各機種でいろいろありますが、一般に画像の輪郭を感知して、そのコントラストを加減する方式が多いようです。
昔のカメラは、人がレンズを通した画像を見ながら、ピントリングを回して加減したものです。当然、オートフォーカスも全く同じことをしているのです。
この機構は、距離が近い被写体にピントを合わせる時は、レンズを前方に繰り出し、被写体までの距離が長い時はレンズを手前に引き寄せるようになっています。
下の図は、その概念図です。
「f」と「f’」は、レンズの焦点距離です。
(あなたのカメラのマニュアルをごらん下さい)
 
絵が不合理で分かりにくいかも知れませんが、「A」「B」「C」はそれぞれレンズ(カメラ)から被写体までの距離で、「C」が一番遠くにあり、「A」が一番近くにあります。
「Aの画像」はレンズに近いものを撮した場合、レンズから離れた位置に大きな実像を結んでいます。逆に「Cの画像」は、レンズから遠い位置にあり、レンズに近い位置に小さな実像を結んでいます。
 
このように、レンズから被写体までの距離が近づけば、レンズとフィルム(CCD)の距離を大きくしなければ、ピントがあった画像を写し取れないわけです。その逆に「C」のように遠い位置にある被写体にピントを合わせる時は、フィルム(CCD)とレンズの距離を小さくします。
 
これが、ピント調節機構の原理です。
マクロ撮影
このように、近くにあるものが大きく写り、遠いものは小さく写るために、写真の立体感を生み出しています。また、画像を詳しく見せるためには、被写体に近寄って、大きな像を結ばせるわけですが、上図の「f’」、レンズの焦点距離まで被写体が近づくと像を結ぶことはできません。
黒い実線と点線とが平行になりますから、像を作ることが出来ないのです。
 
ところが、実際にはカメラレンズの構造上、「f’」の位置まで近寄って撮影することは出来ません。
あなたのカメラのマニュアルをごらん下さい。
最短撮影距離がでていますね? マクロモードにしても、レンズの焦点距離より長いはずです。
 
それでは、もっと近寄って撮影出来ないのか? ということですが、出来ます。
上の図の、「f’」の距離を短くするか、レンズを限度以上に前に繰り出せば解決します。
昔の一眼レフカメラでは、接写リングというものがありました。
つまり、レンズとボディーの間に筒を入れて、レンズを前の方に移動させてしまうのです。その結果、うんとレンズが前方に繰り出されたのと同じ結果を生じます。
しかし、レンズを取り外せないデジカメなどでは無理です。
もう一つは、レンズの前に凸レンズを一枚置いて撮影するのです。
その結果、レンズの焦点距離が短くなり、より近くの被写体を撮影することが出来ます。(上図の「f」の距離が短くなる)
この方法は、昔から知られた一番簡単な方法で、今も『接写レンズ』として、市販されていますが、簡単に自作することが出来ます。
で、市販品は高い! 一万数千円するらしい。
問題は、デジカメの場合、それを取りつける「フィルターねじ」を備えてないものが多いことです。
そこはそれ、円筒形や四角筒を作って、カメラの鏡筒の直前に凸レンズをおく工夫をすればOKです。
凸レンズは、虫眼鏡で充分。カメラ本来のスーパーマクロとか、市販の接写レンズと比べても、全く遜色はありません。

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