モグラホン


通信実例

モグラホンシステムの動作原理
本機は、電波法上の「免許を要しない無線局」のなかの「誘導式無線電信無線電話」という「高周波利用設備」の範疇になります。
電波を空間に発射するのではなく、誘導体として電線等の電気を通す導体に電波を乗せることにより、空間電波の届きずらいところまでその導体を伝わって電波伝達が可能なシステムです。
無線機から送信された電波は、出口である誘導アンテナに導かれ,誘導アンテナと電線等の誘導体とは接近・接触によりトランスの原理で誘導体に電流が発生します。電流が発生するということは、その誘導体は一つの回路としてクローズした状態でなければなりません。その回路を形成するのが、平行二線式、または大地帰路方式です。
本システムは電波伝播に主に大地帰路方式を利用することになります。即ち,トンネル内の電力線はジョイントでシースがアースされているので、大地を通して回路が形成されています。これを活用することで大地帰路方式の通信網が既に存在することになり新たに電線を敷設する工事の手間無くして通信が確立できるのです。



開発意図
本無線機の開発は、トンネル内での工事作業において、作業者同士の指示・連絡の困難さが原因で発生する事故の防止、工事進行上の無駄を軽減することを目的として着手されました。
トンネル内での工事に携わった経験を持つ方は、一度ならずも連絡手段の煩わしさを経験していることと思います。一般にいうトランシーバーでの通信は思ったよりも電波が届かず、通信手段の進歩を願ったに違いないでしょう。
開発に着手してほぼ3年、実験を繰り返し開発品の改良を積み重ね、ここに念願の商品を手にできたことで今後のトンネル内での工事・作業が安全とともに楽になるものと期待します。


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